ソーンクラウンチャペル
場所 アメリカ ユーレカスプリングス
設計者 E・フェイ・ジョーンズ
建材 鉄 ガラス 木材 石
森の中の小高い丘に佇む旅行者のための礼拝堂。建材は細いマツの材木とガラス、石。人ふたりが狭い小道を登りながら運べる材料だけでつくられた。幅7m、奥行き18mの建物は壁全体がガラス張りで屋根のトップライトとともに自然光を取り込み、内外を一体化させる造りにしている。十字に組まれた木材は樹々の幹の色に合わせて調合された緑灰色に塗られ、床は周囲にある天然の石と調和するように石張りとなった。
シーランチ・チャペル
場所 アメリカ シーランチ
設計者 ジェームズ・T・ハッベル
様式 ヴァナキュラー
太平洋に面した海洋リゾートの一角、草原と森の境に佇む小さな礼拝堂。この土地に住む何人ものアーティストや職人、建築家が力を合わせて建てたのだ。地下に半分埋もれたような内部は床も壁も周囲にある岩石と木が材料。セコイアの木を刻んだベンチや柱と一体化して外部の自然とのつながりを感じさせる。天井は白い漆喰で仕上げ、3つの窓にはステンドグラスがはめ込まれている。
流れるようにうねる特異な円錐形の屋根は海風を受け流す工夫。小さな杉の板を重ねて葺きあげている。外壁もその場にある石をそのまま積み上げており、周囲の気候や自然に優しく溶け込む環境建築(ヴァナキュラー)だ。
ロイズ・オブ・ロンドン
場所 イギリス ロンドン
設計者 リチャード・ロジャース
様式 ハイテック
建材 鉄 ガラス ステンレス鋼
建物の中央を最上階まで吹き抜けでつなげその周囲に執務空間を巡らせたオフィスビル。パーティションのひとつで自由にレイアウトできるよう、エレベーターや水まわりなどすべての設備を建物外に配置した。フレキシブルな空間を確保しつつ、構造・設計・機能といった建築を成立させる要素をどこからでも確認できるこのデザインは、建築家リチャード・ロジャースが考える「読み取りが可能な建築」を体現したもの。
アラブ世界研究所
場所 フランス パリ
設計者 ジャン・ヌーベル
様式 ハイテック
建材 コンクリート 石 ガラス
アラブ文化の研究や情報発信、アラブと西洋の文化交流を目的として図書館や資料センター、レストランなどを備えた研究施設。南西側ファザードと北東側ファザードで視覚的に異なるデザインを採用し、アラブと西欧の関係性や対比を表しているという。南西側ではアラブ建築の装飾「ムシャラビアー」をモチーフにデザインした調光装置を窓際に設置。対する北東側はパリの歴史的な街並みを窓ガラスの表面にプリントしている。
アラブ風の紋様に見える調光装置はカメラの絞りと同じ機能を持ち採光を調節するために開閉する。南西側を覆うカーテンウォール内に組み込まれており、コンピュータ制御により光の量を調節している。